日記

わたしが出会ったLGBT~現地調査に行く人行かない人~

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今、LGBTブームなんですか?

すみません。本当に疎くって申し訳ない感じなんですけど。そもそもBLや百合とかの創作物も見たことがなくてですね、ブームと言われてもピンとこないどころか違和感すら感じちゃいます。

でも岩波書店発行の月刊誌「世界」5月号で特集組んじゃうくらいですから、ブームなんでしょうねえ。目次はこんな感じ。

世界 2017年 05 月号 [雑誌] -
世界 2017年 05 月号 [雑誌] –

特集 2<LGBT>ブームの光と影
ダイバーシティから権利保障へートランプ以降の米国と「LGBTブーム」の日本
生きやすい空気を作るためにー<同性婚議論>のその先へ
誰にも身近な問題へー日本における性的少数者の法的トラブルの現在
教育現場と<多様な性>ー誰も置き去りにしないために
漂流するLGBT法案

それから野村萬斎さんが表紙で、今日発売のAERA(6月12日号)はLGBTが巻頭特集。

AERA (アエラ) 2017年 6/12号 [雑誌] - 楽天ブックス
AERA (アエラ) 2017年 6/12号 [雑誌] – 楽天ブックス

LGBTブームの嘘
【ブーム】
「私たち『夫婦(仮)』はじめました」
トランスジェンダーとゲイの異色カップル対談
能町みね子 (漫画家)× サムソン高橋 (ライター)
「『おネエ』しかいらない ―LGBTはメディアでどう扱われてきたか―」
ミッツ・マングローブ/カルーセル麻紀/KABA.ちゃん
【政治】
「ひとつではない政治意識 ―LGBTだからリベラルというわけではない―」
【調査】
「『フレンドリー』は虹の彼方に ―本誌独自調査で見えた自治体対応の実態―」
【教育】
「『いない』のではなく『見えない』だけ ―小中学校教員の半数以上がLGBTを知らない―」
【家族】
「それでも愛して育てたい ―同性カップルが我が子と育む家族―」
【老い】
「誇りは持てた どう老いるのか ―ロールモデルなきLGBTの老後

両方ともわたしは買ってないですけど、これだけきちんと正面切って記事になるのは本当にめったにないので、ぜひ保存版にしてお買い求めいただきたいと思います。

わたしは昔、同性愛について調べたことがありまして、ショーパブや2丁目のレズビアンバーに行って何人かのLGBTの方とお会いしてお話したり、同性愛者の団体が東京都を相手に闘った裁判を傍聴したり、映画祭を見に行ったり、同性愛者の方自身が書かれた本を読み漁っていた時期がありました。

前に書いた山谷もそうなんですけれど、わたしは基本的に現地調査します。実際に会いに行ったり、その場の雰囲気を感じることで、初めて見えるようになる事実が本当に大きいからです。

国会で問題になっていた、文部科学省の前川喜平前事務次官が出会い系バーに通って、女性の貧困問題を調査していたという話がありますが、わたしは最初に聞いたときに何の違和感も持ちませんでした。
だってわたしだって、20代の頃から1人で新宿2丁目に行ったり、山谷に行ったりしてましたから、あー前川さんも現場を見に行くタイプの人なんだなという印象でした。

わたしの専門分野は江戸文学でしたから、タイムマシーンで江戸時代の日本橋に行くわけにはいきませんけれど、現場主義の調査方法は学術論文を書くときにも大変有効であったと申し添えておきたいと思います。

さて、やっと本題。

わたしは同性愛のことを調べてはいましたが、彼女や彼を理解することはできませんでした。ただLGBTに対する差別意識を目の当たりにしたので、彼女、彼らの闘いを応援することは続けていきたいと思っています。

最初にショーパブで出会ったかわいいニューハーフさんはずっと不機嫌で、お客であるわたしの方が気を使って、それでもほとんど口をきいてくれませんでした。

レズビアンバーは何度も行きましたが、レズビアンのもつ閉鎖性というか、見えないバリアに閉ざされたセンシティブな世界に入り込むことはできませんでした。

わたし自身が同性愛者ではないので、電話番号を渡されてもそれに応えることはできなかったし、そういう意識で接触しようとしてくるエイリアンを排除し、自分の身を守る術を身につけているのがレズビアンなのだと、今になると思います。

こうしてわたしの調査は失敗続きだったわけですが、一方、のめり込んで傍聴していた裁判があります。

東京都青年の家事件(とうきょうとせいねんのいえじけん)は、同性愛者の団体に対し、東京都が「青少年の健全な育成に悪い影響を与える」として宿泊施設「府中青年の家」(閉鎖)の利用を拒絶した事に対して、1991年2月に起こされ、1997年9月の二審で原告団体の全面勝訴で結審した損害賠償訴訟である。提訴の理由は「青年の家を利用した際、他団体から嫌がらせを受けた。そこで青年の家側に対応を求めたところ、青年の家所長と都職員から不誠実な対応をされ、今後の利用を拒否された」というものだった。(Wikipedia)

わたしは高裁から傍聴し、裁判のあとの報告会にも何度か参加しました。

裁判はひどいものでした。裁判長は居眠りをしている。東京都側の弁護士は威圧的でやる気のなさが充満していました。傍聴席の応援団だけが裁判の行方を真剣に見守っていました。

報告会では原告側の弁護士さんから裁判についての説明があり、相手の出方、今後の対策が述べられました。その後、裁判の当事者である同性愛者本人やその親からの体験談が続きます。

当時この裁判はマスコミにも取り上げられましたから、裁判を起こしたからには、セクシュアリティも個人情報も公開するリスクがあります。家族や友人、パートナーの支えは大きかったと思います。裁判に批判的な同性愛者の有名人もいました。でも、彼らは勝利したのです。

ゲイ・ブーム、LGBTブーム、何年かおきに来ているような気がしますが、ブームや商業主義で終わらせないで、一人ひとりが何に悩んで何と闘っているのかをまず知って欲しいと思うのです。

そういえば昨年、野党4党が提出しようとしたLGBT差別解消関連法案、あれどうなったんでしょうね。
まあ、あまり頭でっかちにならないで、身近な人が相談してくれたときに、真剣に話を聞いて、その人の味方になれるだけの知識を持って、差別意識を捨てることではないでしょうか。

差別も偏見も無知から生じるのです。

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