介護

【親の介護3】うちの母が脳梗塞で入院したときのこと

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それは本当に突然でした。

母はわたしの手術が成功したことで、すっかり落ち着きを取り戻していました。圧迫骨折から退院したときには認知症の症状がみられたものの、このころはそんなことが嘘だったように会話がはずみましたし、家事もすすんでやってくれていました。4月3日(月)にはデイサービスのお花見に行くことをとても楽しみにしていたので、わたしも母の都合にあわせて化学療法のスケジュールを1週間延期しました。後になってみれば、これがすべての幸いにつながったのでした。

お花見から帰ってきた母はよくしゃべってくれました。わたしの嫌いな桜の花も、はるかに多くの人の心を癒し、華やいだ気分にしてくれるものです。はしゃいだような母の話を聞きながら「入院延期してよかったなあ」などとのんびりしたことを考えていました。母はお花見が気分転換になったらしく、一層元気に過ごしていたし、本人も歯の治療や髪を切りたいと望んでいたので、訪問歯科医や訪問美容師の予約を入れておきました。わたしは、4月10日(月)~12日(水)に入院化学療法を行いました。
いつものことですが、退院して数日は副作用で動けません。

この間、母への目が行き届かないのは今も変わりません。

介護ヘルパーから「薬の飲み忘れが多いので注意してください」といわれても、それほど重大なこととは思っていませんでした。

4月14日(金)、母は訪問歯科医の先生に歯の治療をしていただきました。このときも受け答えはスムーズでした。来週は美容師さんがいらっしゃるから、デイサービスに行ってお風呂に入ってきましょうね、などと話をしていました。

4月17日(月)、夕飯を終えて母が洗い物をしてくれています。昨年の夏から思えば夢のような回復です。燃えないゴミをまとめて、さあ寝ましょうと母が自分の寝室に戻る前にわたしの部屋を訪れたときに異変は生じました。

襖が自分で開けられないのです。

母が襖の向こうで言葉にならない声を発しています。

わたしはすぐに襖を開けました。

母が部屋に入ろうと立っていましたが、顔の中心が青く変色したようにゆがんでいます。

「大丈夫?!」と声をかけると、ろれつのまわらない口で「らいりょうふ」と言います。

母を支えながらベッドに連れていき、座らせるとみるみる力が抜けていきます。足をピンとのばしたまま全身が硬直したように見えます。明らかに梗塞を起こしていると判断し119番で救急車を呼びました。

ふしぎなことに救急車が到着するまでの間に母の様子が落ち着いてきました。普通にしゃべれるようになり、体も動かせる。わたしと会話ができる。救急車が来るからねというと、眠いので寝たい、と答えます。救急隊が部屋に入ってきて母の様子を伝えると、両手を上げさせたり、言葉を繰り返し言わせたりと簡単なテストをしています。母は全部クリアできました。このときに一過性脳虚血発作であろうと判断され、脳外科の設備がある病院に搬送することになりました。

病院に着いて、血栓を溶かす点滴とCT検査の結果、右後頭部に小さな梗塞が認められるのと水頭症の疑いという診断が出ました。わたしが治療中であることをお話したところ、1週間の検査入院を勧められました。脳梗塞ですから本当は1週間で治療が済むわけはありません。しかし、翌週にわたしの入院治療が控えていたため、検査データを地元の病院に全部持って行って、かかりつけ医に治療を委ねようという提案でした。また母をわたしの都合で無理やり退院させなければならない。申し訳ない。このときはそう思いました。

慌てていたので母の持病の薬を持って出なかったため、翌朝一番で病院に薬を届けなければなりませんでした。その日は母を残して夜遅く、雨の中、わたしは家に帰りました。もう目の前が真っ暗でまんじりともできませんでした。

夜明けを待って病院にとんぼ返りすると、看護師さんから母が夜中に暴れたと聞かされました。うちでは暴れたり暴言を吐くことは一切ありませんでしたので、どうしようもなく胸騒ぎがしました。

それは、母が入院した病室は狭くて暗い2人部屋で、認知症の方と一緒だったのです。わたしの顔を見るなり母は泣き出しました。

「こんなところに入院させちゃってごめんね。でも1週間は検査に必要なの。脳梗塞だったの」

母にそう説得しながら、めまいでクラクラする体で立っているのがやっとでした。

結果的に発見と処置が早かったので、母の脳梗塞は軽度で済みました。月曜日は隔週でわたしの入院化学療法がありますが、たまたま自宅にいる日の発症だったのが幸いしました。デイサービスのお花見があったから重度の後遺症が残らずに済んだのかと思うと本当に紙一重でした。母ひとりのときに脳梗塞を起こして、自分でベッドまで行って一晩眠ってしまっていたら、今頃寝たきりになっていたかもしれません。しかしこの入院から、母の認知症の症状が顕著になってきました。

それでも、わたしは運が良かったと思っています。

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コメント

  1. ごんたママ より:

    はじめまして!
    ごんたママです。 
    お母様の脳梗塞、娘さんが気付かれる時に起こってある意味良かったですね。
    私の母は認知症で先月より、要介護5となりました。老健に入所してますが、いろいろ大変です。
    ご自身のお身体もしっかりケアしてくださいね!

  2. 部長 より:

    ごんたママさん、こんにちは
    ブログを始めて初めてコメントをいただいてすごく嬉しいです。
    >私の母は認知症で先月より、要介護5となりました。老健に入所してますが、いろいろ大変です。
    わたしの認知症介護は始まったばかりですので、ごんたママさんは今まで想像を遥かに超えるもっともっと大変な経験をされてこられたと推察いたします。
    同じように親の介護をしている皆さまからいろいろ教えていただきながら母を見守っていきたいと思っています。
    そうですね、わたし自身のケアも大切ですね。
    まずは食生活の改善から気をつけます。
    ありがとうございます!

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