豊洲市場

豊洲市場の見学会に参加しました(3)水産仲卸売場棟

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

豊洲市場の都民見学会リポート3回目です。前回の水産卸売場棟は豊洲7街区でしたが、水産仲卸売場棟は連絡通路を通って6街区に渡ります。6街区には他に冷蔵庫棟、通勤駐車場棟、加工パッケージ棟、千客万来施設用地があります。水産仲卸売場棟は1階が仲卸売場、3階が積込場・飲食店舗、4階が積込場・物販店舗、屋上が緑化広場になっています。屋上の緑化広場には外のエレベーターを利用して上がることができます。

水産仲卸売場棟

水産仲卸売場棟は今年の夏、店舗の棚や陳列台にカビが発生したというニュースが流れたり、当初から店舗の狭さやターレが走るスロープのヘアピンカーブなどが問題となっているところです。当然、わたしもいろいろ質問をしたいと思っていたのですが、女性ガイドはそれには答えずどんどん先へ進んでしまいます。男性の職員が答えてくれますが納得のいくものではありませんでした。むしろ見学中に質問をすることは歓迎されない雰囲気で、話を聞いている間に置いて行かれて、質問を途中で打ち切り、後から先頭のガイドまで走って追いかけなければなりませんでした。

また、仲卸店舗やヘアピンカーブの写真が撮りたいと思っても、中央に東京都のガイドや職員が立っていて写り込んでしまうので、思うようにきれいな写真が撮れませんでした。尤もそういう問題のある個所については既に報道されていたり、インターネットにも画像はあるので撮影はあきらめました。

水産仲卸店舗

1区画が横1.5m×縦5.5m=8.3㎡。全部で1600区画あり、合計約600の事業者が利用する予定です。狭い狭いと話題の仲卸店舗の間仕切りについて、東京都はこう言っています。

東京都「報道などで狭くてマグロが切れないとされた間仕切りは、食品衛生法上の営業許可に必要なものであり、万が一食中毒などの問題が発生したときに原因を特定するために不可欠なものなんです。設置をすることで狭くて店舗が使えないという声が出たために、一定の条件を満たす場合は間仕切りを設置しないという例外措置を取ります。その一定の条件というのは、同じ業態の店舗が並びまして問題が発生したときに、連帯責任となることを承諾する、などといった条件でございます」

食品衛生上の問題にすり替えていますが、使い勝手を考えて十分な広さを確保してから間仕切りを設置すれば利用者からの苦情もこないわけですし、東京都としては間仕切りを外すのはあくまで例外措置というとらえ方らしいです。

売場の通路は歩車分離をすることで接触事故の防止を図っているという説明もありましたが、買い出し人が利用する歩行者用の歩道は店の脇に1m弱の幅しかありません。店舗の周りをターレが走る通路が取り囲み、店の後ろ側のスペースが荷下ろし場になります。東京都の人にちょっと質問してみました。

わたし「お客さんが違うお店に移動しようとしたときはこの細い歩道を歩くんですか。下町の八百屋みたいに歩道に物をはみ出して置かれたら歩くところがなくなると思うんですけど」

東京都「この細い道を行っていただきます。(物は)あくまでも通路上には置かない。それはちゃんとルールをもってしっかり。置いてしまうとお客さんが通れなくなってしまいますから。組合との間でしっかり」

わたし「ターレから品物を降ろすときはどうするんですか。品物を降ろしたあと、広げる場所がないんじゃないですか」

東京都「それはここで(店の後ろの荷下ろしスペース)。ターレが走って、荷物を降ろして、あとは自分のお店の中で展示をしていくということですね」
わたし「お店の中で広げるときも、思いのほか大きい魚が入ってきたときはどうするんですか?」

東京都「それはたとえば小分けにしたりだとか……」

東京都はお客さんが歩く通路とターレが走る道路を明確に分けているから安全だと言っていますが、歩道の幅が狭すぎて実際に物を入れたら、道路を人が歩かざるを得なくなるのは容易に想像できます。これでは歩車分離は不可能だと思いました。築地市場が手狭だから広い豊洲へ移転するはずなのに、実際に水産仲卸店舗を見た限りでは、豊洲市場が広いというのは嘘です。そもそも、店舗の幅が1.5mしかないのも、買い出し人用の歩道が1m弱しかないのも、何か理由があるんでしょうか?

屋上緑化

この日は都民見学会とは別に1日限りの屋上開放日でもあり、水産仲卸売場棟の屋上にはお弁当を持った家族連れがふかふかの芝生の上でおにぎりを食べていたり、セグウェイのような乗り物のイベントが開かれて老若男女でにぎわっていました。toyosu13.jpg

晴海ふ頭方向には客船が停泊しており、隣にはオリンピック施設の建設が進んでいます。

天気が良かったので遠くに富士山が見えました。屋上緑化庭園の利用方法についてはまだ未定だそうです。

ターレスロープ

ターレスロープは3車線あり、下りが1車線、上りが2車線です。荷物の積載量によって上りにスピードの差が出てくるために2車線にしているそうです。奥まで行ってヘアピンカーブを見学しました。壁に小さな四角いミラーが貼ってありました。

東京都「報道でも取り上げられましたカーブでございます。車輌の軌跡をふまえて設計しておりまして、事業者の協力の元に実証実験も行っておりますので、十分に曲がれるということを確認しました。あの壁際にありますミラーは小さくて見にくいために大型のものに交換する予定です。市場内で動きますターレは、3輪で旋回半径が非常に小さいためスピードさえ落とせば十分に回りきれます」

東京都B「過度にスピードを出していれば当然荷物が振り落とされるということも考えられますが、制限速度をちゃんと守っていただき、ルールをもってやっていただくということになると思います」

仕事の時はみんな急いでるんじゃないのかな? 質問してみました。

わたし「ターレが思いのほか大きな荷物を運ぶことになって、ターレ同士が接触するようなことはないんですか?」

東京都「そこは当然お互い気をつけながらやっていただくことになります」

わたし「例えばターレを運転している人たちへの安全対策や事故防止策のようなものはないんですか?」

東京都「それは例えばどういうような?」

わたし「あれ(ミラー)だけなんですか?」

東京都「あくまでもゆっくり制限速度を守っていただければ何の問題もないんです。あとは実際に使ってみたらあれが足りない、これが足りないという要望があると思います。事故が起きる前にご意見を伺いますからそれに対して改善していくということです」

今の築地のように猛スピードではなく、一定の速度で走れば問題ないと。そんなこと言ったって、やはり事故が心配です。

水産卸売場棟は先進的な物流センターとして、トラックやバースにきめ細かい配慮がされていました。それが大勢の人が働く水産仲卸売場棟はどうしたことでしょう、人に全然やさしくない設計になってしまっています。店は狭い、歩道は狭い、道路のカーブは危険、あげくに全く使っていない店内にカビが生える。

東京都が言っていたように、最初から事業者の要望を酌んで設計していればこんなに使いにくい建物にはならなかったかもしれません。そして、今後は東京都が使用者の要望を聞いて施設を改善してくれるかといえば、残念ながら期待できないのではないかと思いました。

豊洲市場の見学会に参加しました(4)青果棟と地下水管理システムへ続きます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

コメントを残す

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。